愛犬のために後悔しない無添加ドッグフード選びの正しい知識 ー 本当に無添加かどうか信頼できるフードの見極め方

パッケージに大きく書かれた「無添加」の文字。その一言だけでは、何が加えられていないのかまではわかりません。

日本のペットフードの表示ルールでは、「無添加」と表示するときは、何を加えていないのかを併記することになっています [※1]。無添加ドッグフードを見分ける手がかりは、「何が無添加か」の併記、「総合栄養食」の表示、そして原材料欄の三つです。「ナチュラル」の表示にも基準があり、表示の意味を知っておくと、パッケージの印象に左右されずに選べるようになります。

  • 「無添加」「不使用」は、何を加えていないかを併記して使うのがルール
  • 添加物について「無添加」と書けるのは、その添加物を製造工程のどこでも使っていない場合に限られる
  • 「ナチュラル」は、化学的合成物と着色料を使っていないことが条件。総合栄養食などには例外がある
  • 原材料欄には添加物も表示され、保存料・酸化防止剤・着色料は用途名も書かれる
  • 「国産」は最終加工をした国を示す表示で、原材料の産地とは別

「無添加」の定義:何を加えていないかを併記するのがルール

ドッグフードの「無添加」は、何を加えていないかとセットで読む表示です。ペットフードの表示に関する公正競争規約では、「無添加」「不使用」やそれに似た言葉は、無添加である原材料名などを明確に併記した場合に限って使えるとしています [※1]。「合成保存料無添加」「着色料不使用」のような書き方が、その例にあたります。

添加物について「無添加」と表示する条件も決められています。対象の添加物を、加工助剤や原材料から持ち込まれるもの、栄養強化の目的で使うものも含めて、一切使っていないことが確認できる場合に限られます [※1]。製造工程のどこかで使っていれば、「無添加」とは書けないということです。

では、「完全無添加」「100%無添加」という言葉はどう読めばよいでしょうか。規約にこれらの言葉の定義はなく、「無添加」に類似する用語として、同じく対象の併記が求められると考えられます [※1]。何を加えていないのかが書かれていなければ比べる手がかりにならないため、原材料欄と合わせて確かめるのが確実です。

「ナチュラル」の表示にも基準がある

「ナチュラル」は、日本の規約では使える条件が決まっている言葉です。化学的合成物と着色料を使っていないものに限って表示できます [※1]。

総合栄養食と療法食、総合栄養食の基準を満たす間食には例外があり、栄養バランスに欠かせないビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類だけに化学的合成物を使っている場合です。その旨を「ナチュラル」の表示の近くに一定以上の文字の大きさで併記し、油脂の酸化防止にエトキシキン・BHA・BHTなどの合成の酸化防止剤を使っていなければ、「ナチュラル」と表示できます [※1]。根拠のない「天然」「自然」の表示は、不当表示の例として挙げられています [※1]。

米国でも、飼料検査官協会(AAFCO)が「ナチュラル」を定義しており、少なくとも天然の保存料で品質を保っていることが条件です。獣医学の総説は、飼い主が「ナチュラル」に抱くイメージが、この規制上の定義と異なる場合があると指摘しています [※2]。

表示 表示ルールでの扱い 確かめること
無添加・不使用 何を加えていないかの併記が必要 併記されている対象
完全無添加・100%無添加 定義はなく、「無添加」に類似する用語として扱われる 併記の有無と原材料欄の添加物
ナチュラル 化学的合成物・着色料の不使用が条件。総合栄養食などは例外あり 合成ビタミン類などの併記
天然・自然 客観的根拠のない表示は不当表示 何が天然なのかの説明
総合栄養食 フードと水だけで健康を維持できる栄養設計 対象の成長段階

出典:ペットフードの表示に関する公正競争規約・同施行規則 [※1] をもとに当メディアで整理

総合栄養食と「無添加」の関係

毎日の主食として選ぶなら、「無添加」の表示より先に「総合栄養食」の表示を確かめます。総合栄養食は、そのフードと水だけで、指定された成長段階の健康を維持できるよう栄養バランスを整えたフードです [※1]。パッケージには、総合栄養食である旨と、対象の成長段階が併記されます [※1]。

栄養をそろえるために、総合栄養食にはビタミン類やミネラル類が加えられていることがよくあります。表示ルールでも、これらは栄養強化の目的で使う原材料として、「ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD…)」のようにまとめて書けることになっています [※1]。ビタミンやミネラルの名前が原材料欄に並ぶのは、多くの場合、栄養をそろえるためといえます。

一方、おやつやトッピングは「間食」「一般食」などとして表示されます。一般食には、別に栄養を補う必要があることや、一緒に与えるフードの名前を併記するルールです [※1]。原材料が肉だけのジャーキーと、栄養素を加えた総合栄養食は、目的の違うフードとして組み合わせて使います。

原材料欄で添加物を読む

添加物は、原材料欄で確かめられます。ペットフード安全法では、原材料名は原則として添加物を含めてすべて表示することになっています [※3]。表示ルールでは、添加物以外の原材料は重量の多い順に書き、添加物は加工助剤を除いて使ったものをすべて書きます [※1]。

保存料、酸化防止剤、着色料、甘味料、増粘安定剤、発色剤として使った添加物は、「酸化防止剤(ミックストコフェロール)」のように用途名も併記されます [※1]。香料や調味料などは、一括した名前で書かれることもあります [※1]。原材料欄を見るときは、まず括弧の前の用途名を探すと読みやすくなるでしょう。

添加物の量にも、法律の上限があります。ペットフード安全法では、酸化防止剤のエトキシキン・BHA・BHTの合計を1gあたり150μg以下、犬用のエトキシキンは75μg以下、亜硝酸ナトリウムは100μg以下と定めています [※3]。

加工の際に使い、製品には残らない加工助剤は、原材料欄に出てきません [※1]。製法まで知りたいときは、作り手に尋ねてみてください。おやつ選びでの加工助剤の考え方は「食物アレルギーの犬にジャーキーを選ぶ3つの基準」で整理しています。

「国産」は最終加工をした国を示す

パッケージの「国産」は、原材料の産地ではなく、製造の最終加工工程を終えた国を示す表示です [※1][※3]。原産国が日本であれば、「国産」と書くことができます [※1]。主原料の肉や穀物がどこで採れたものかを知りたいときは、商品ページや作り手の説明で確かめます。

アレルギーが気になるときは、添加物よりタンパク源を見る

獣医学の論文によると、犬の食物アレルギーの原因として多く報告されているのは、牛肉、乳製品、鶏肉、小麦です。297頭のデータでは、牛肉が34%、乳製品が17%、鶏肉が15%、小麦が13%でした [※4]。食物アレルギーに配慮したいときは、「無添加」の表示とあわせて、主原料にどのタンパク源が使われているかを原材料欄で確かめることが欠かせません。

かゆみや下痢などの症状が続くときは、フードを変える前に動物病院で相談してください。タンパク源ごとの考え方は「犬の食物アレルギー原因タンパク質ランキング」で詳しく解説しています。

無添加ドッグフードの選び方:パッケージで確かめる5つの点

見るべき表示は五つです。世界小動物獣医師会(WSAVA)も、フードを選ぶときに作り手の情報や栄養の設計を確かめるよう勧めています [※5]。

  1. 何が無添加か:「無添加」の対象が併記されているか
  2. フードの目的:主食なら「総合栄養食」と対象の成長段階
  3. 添加物の用途:原材料欄の保存料・酸化防止剤・着色料の有無と中身
  4. 主原料:どのタンパク源が最初に書かれているか
  5. 作り手:製造者の名前と、問い合わせに答えてくれる窓口

手作りご飯と市販フードのどちらを主食にするかで迷っている場合は、「ドッグフードと手作りご飯、どっちがいい?」で栄養と衛生の面から比べています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 無添加ドッグフードの定義は?

「無添加」は、何を加えていないかを併記して使う表示です [※1]。添加物について無添加と書けるのは、その添加物を、加工助剤や栄養強化の目的で使うものも含めて一切使っていない場合に限られます [※1]。

Q2. 国産ドッグフードの「添加物不使用」の基準は?

国産・輸入品を問わず、「不使用」も「無添加」と同じルールで、使っていない対象を明記する必要があります [※1]。なお「国産」は最終加工をした国が日本であることを示す表示で、原材料の産地を示すものではありません [※1]。

Q3. ナチュラルフードと無添加フードの違いは?

「ナチュラル」は化学的合成物と着色料を使っていないことが条件で、総合栄養食などでは栄養に欠かせないビタミン類などに限って合成のものを使えます [※1]。「無添加」は、特定の原材料や添加物を加えていないことを示す表示です。「科学設計」のような言葉は規約で定められた区分ではないため、主食を選ぶときは総合栄養食かどうかを基準にすると比べやすくなります。

Q4. シニア犬のフードは、原材料の何を見ればいいですか?

シニア向けのフードでも、まず「総合栄養食」の表示と対象の成長段階が書かれているかを確かめます [※1]。そのうえで、主原料のタンパク源と、酸化防止剤に何が使われているかを原材料欄で見てください。食欲や体重の変化が気になるときは、獣医師に相談してください。

参考文献

  1. ペットフードの表示に関する公正競争規約・同施行規則(全国公正取引協議会連合会 掲載・令和6年10月1日施行)
  2. Natural pet food: A review of natural diets and their impact on canine and feline physiology(Buff PR, Carter RA, Bauer JE, Kersey JH・Journal of Animal Science・2014)
  3. ペットフード安全法基準規格等(環境省)
  4. Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (2): common food allergen sources in dogs and cats(Mueller RS, Olivry T, Prélaud P・BMC Veterinary Research・2016)
  5. Guidelines on Selecting Pet Foods(WSAVA Global Nutrition Committee・2021)

メゾン・ド・ジビエの鹿肉フードについて

メゾン・ド・ジビエの鹿肉ジャーキーとふりかけは、原材料が九州産の鹿肉だけのおやつ・トッピングです。主食のドライフードは、九州産の生鹿肉を主原料に雑穀を合わせた、全成長段階(オールステージ)対応の総合栄養食で、ビタミン類とミネラル類で栄養を整えています。油脂の酸化防止に使っているのは、ローズマリー抽出物とミックストコフェロールです。

どの商品も、原材料はすべて商品ページに載せています。この記事で紹介した読み方で、確かめてみてください。

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