成犬用ドッグフードの見直しガイド:愛犬の健康寿命を延ばす選び方

「そろそろ成犬用に切り替えた方がいいのかな?」と迷いつつ、子犬の頃と同じフードを与え続けていませんか?愛犬の健康寿命を伸ばすためには、ライフステージに合わせたフード選びが非常に重要です。

この記事では、成犬用ドッグフードの選び方の基本と、体質に合ったフードを見極めるコツについて、わかりやすく解説します。

成犬期のフードはなぜ違う?栄養の基本と切り替えの必要性

成犬になると、子犬とは必要な栄養バランスが大きく変化します。成長が落ち着き、消化機能や代謝が安定するため、子犬用の高カロリー・高タンパクな食事を続けると、栄養過多になり肥満や臓器への負担が増えるリスクがあります。

特に運動量の少ない室内犬や小型犬の場合、過剰な栄養摂取は糖尿病、関節トラブル、皮膚疾患などの慢性疾患につながる可能性があります。成犬用ドッグフードは、カロリーや脂質を抑えつつ、筋肉維持や免疫力サポートに必要な栄養素をバランスよく配合しており、犬のライフステージに応じたフードを選ぶことは、将来の健康を守るための重要な生活習慣です。

子犬用フードと成犬用フードの違い
比較項目 子犬用ドッグフード 成犬用ドッグフード
目的 成長と発達をサポート 健康維持と体重管理が中心
エネルギー量 高カロリー(約400kcal/100g) 中カロリー(約350kcal/100g)
タンパク質含有量 豊富(25~30%程度) やや控えめ(20~25%程度)
カルシウム・リン 骨や歯の発育に配慮し高め 成犬の代謝に合わせて低め
給与量の目安 体重に対して多め(小分け回数も多い) 個体差に応じて調整が必要

 

子犬用フードは、骨や筋肉が急速に成長する時期に合わせて高カロリー・高タンパク・高脂質に設計されています。DHA(脳の発達をサポート)や消化酵素も強化されており、「育てる」ための食事です。 一方、成犬用フードは代謝が安定し、成長がひと段落するため、カロリーや脂質を抑え、食物繊維や関節・皮膚ケアに配慮した機能性成分が配合されます。目的は「健康を維持し、年齢とともに変化する体をいたわること」、つまり「守る食事」へと切り替わります。

後悔しないフード選びへ!成犬期に理想的な栄養バランス

成犬の栄養バランスは、「維持」と「予防」に重点を置いています。

その中でも、成犬期に欠かせない「5つの栄養素」を解説していきます

 

栄養素の理想的な含有量と主な役割
栄養素 理想的な含有量 主な役割
たんぱく質 18%以上 筋肉・内臓・皮膚の維持・修復
脂質 5.5%以上 エネルギー源・細胞膜の構成・ホルモン合成
カルシウム 0.5~1.0% 骨と歯の形成・神経や筋肉の働きの調整
リン 0.4~0.9% 骨・エネルギー代謝に必要
ビタミンA 5,000IU/kg 皮膚・粘膜・視覚・免疫の健康維持

 

たんぱく質

筋肉や内臓の修復・維持の要であり、量よりも質が重要です。 成犬になっても、たんぱく質は体の細胞や組織を構成し、酵素やホルモンの生成、免疫機能の維持に不可欠な栄養素です。特に「質」が重要とされるのは、犬が必要とするアミノ酸をバランス良く含んでいるかどうかを指します。動物性たんぱく質、例えば鶏肉、牛肉、ラム肉、魚、そして鹿肉などは、犬にとって消化吸収しやすく、必須アミノ酸を豊富に含む良質な供給源です。低品質なミートミール(肉副産物)や、消化しにくい植物性たんぱく質に偏ったフードでは、必要なアミノ酸が十分に摂取できず、筋肉量の減少、毛並みの悪化、免疫力の低下といった問題を引き起こす可能性があります。愛犬の活発な毎日を支え、健康な体を維持するためには、消化率が高く、アミノ酸バランスの優れたたんぱく質を選ぶことが肝心です。

脂質

重要なエネルギー源ですが、運動量が減る成犬には過剰摂取が肥満の原因になります。動物性脂肪と植物性脂肪のバランスが取れた設計が望ましいです。 脂質は犬にとって最も効率の良いエネルギー源であり、体温維持、細胞膜の構成、ホルモンの生成、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)の吸収を助けるなど、多岐にわたる重要な役割を担っています。しかし、成犬期に入ると運動量が減る傾向にあるため、高脂質なフードを与え続けると、摂取カロリーが消費カロリーを上回り、肥満につながりやすくなります。肥満は関節への負担増、糖尿病、心臓病などのリスクを高めます。そのため、ドッグフード選びでは、鶏脂、牛脂などの動物性脂肪と、亜麻仁油、ひまわり油などの植物性脂肪がバランス良く配合されているかを確認しましょう。また、酸化した脂質は健康に悪影響を及ぼすため、新鮮で品質の良い脂質が使われていることも重要なポイントです。

ミネラル

 カルシウム、リン、亜鉛などは骨・神経・筋肉機能の維持に不可欠です。 ミネラルは、骨や歯の健康だけでなく、神経伝達、筋肉の収縮、酵素の活性化、体液バランスの調整、免疫機能のサポートなど、犬の体内で非常に多様な生理機能に関与しています。カルシウムとリンは骨格形成に欠かせませんが、そのバランス(理想は1:1程度)が崩れると、骨の異常や腎臓への負担につながることがあります。亜鉛は皮膚や被毛の健康、免疫機能、細胞の成長に重要です。その他にも、赤血球の生成に必要な鉄、甲状腺機能に関わるヨウ素、抗酸化作用を持つセレンなど、微量ながらも犬の健康維持には欠かせないミネラルが多数存在します。これらのミネラルは、不足しても過剰でも健康障害を引き起こす可能性があるため、総合栄養食としてバランス良く配合されているフードを選ぶことが大切です。

食物繊維

腸内環境を整え、便通と免疫をサポートします。 食物繊維は、犬の消化器系の健康を維持するために非常に重要な役割を果たします。水溶性食物繊維(例:チコリー根、ビートパルプ)は、腸内で水分を吸収してゲル状になり、便を柔らかくして排便をスムーズにします。また、腸内の善玉菌の餌となり、腸内環境を良好に保つ「プレバイオティクス」としての働きも持ちます。不溶性食物繊維(例:セルロース、穀物の外皮)は、便のかさを増やし、腸の動きを活発にすることで、便秘の解消に役立ちます。適切な量の食物繊維は、腸内細菌のバランスを整え、免疫細胞の約7割が存在する腸の健康をサポートし、結果として全身の免疫力向上にも寄与します。さらに、食物繊維は満腹感を与えやすいため、体重管理が必要な犬のダイエットフードにもよく利用されます。

オメガ3脂肪酸

 EPAやDHAは、皮膚のかゆみや関節の炎症を抑える効果が期待され、高齢期を見据えた健康管理にもおすすめです。 オメガ3脂肪酸(特にEPA:エイコサペンタエン酸とDHA:ドコサヘキサエン酸)は、犬の体内で合成できない必須脂肪酸であり、食事からの摂取が不可欠です。これらは強力な抗炎症作用を持つことで知られており、アレルギーによる皮膚のかゆみや炎症、関節炎による痛みの緩和に効果が期待されます。例えば、乾燥によるフケや痒みがある犬、あるいは加齢による関節の痛みを抱える犬にとって、オメガ3脂肪酸を豊富に含むフードは症状の改善に役立つことがあります。また、DHAは脳や目の発達にも重要な役割を果たすため、子犬期だけでなく、認知機能の維持が求められる高齢犬にとっても非常に有益です。主に魚油(サーモン油、イワシ油など)や亜麻仁油に豊富に含まれており、オメガ6脂肪酸とのバランスも考慮されたフードを選ぶことが、より効果的な健康維持につながります。

見落とされやすいSOSサイン!愛犬に「今のフードが合っていない」兆候

愛犬が発する小さな変化は、今のドッグフードが体質に合っていないサインかもしれません。人間が体調を崩すように、犬も食事内容によって様々な不調を示すことがあります。愛犬は言葉を話せないので、飼い主が日々の観察を通じてこれらのサインを見逃さないことが非常に重要です。

便の状態がいつも柔らかい、または下痢・便秘を繰り返している

 便は愛犬の健康状態を映す鏡です。健康な便は適度な固さで形があり、つややかです。もし便が常に柔らかい、あるいは水っぽい下痢が続く場合、消化しにくい原材料が含まれているか、特定の成分に対する不耐性やアレルギー反応を示している可能性があります。例えば、穀物(小麦、トウモロコシなど)や、消化しにくい動物性タンパク質(鶏肉など)が原因となることもあります。また、急なフードの切り替えや、添加物の多用も腸内環境を乱す要因です。このような場合、プレバイオティクス(善玉菌の餌となる成分)やプロバイオティクス(生きた善玉菌)、消化酵素が配合されたフードへの切り替えを検討することで、腸内環境が整い、便の状態が改善されることが期待できます。

食後に嘔吐・げっぷ・口臭が増える 

食後すぐに嘔吐したり、頻繁にげっぷをしたり、口臭が強くなったりする症状は、胃腸に過度な負担がかかっているサインです。特に高脂質・高カロリーのフードは、成犬の消化器系にとって重荷となり、消化不良を引き起こすことがあります。子犬用のフードを成犬になっても与え続けている場合、このリスクは高まります。また、フードの粒の大きさや形状も関係することがあります。大きすぎる、あるいは硬すぎる粒は、犬がよく噛まずに丸呑みしてしまう原因となり、胃の中で膨張して嘔吐につながることもあります。対策としては、低脂質で消化しやすい原材料のドッグフードに切り替えることや、食事の回数を増やして1回あたりの量を減らすこと、食後はすぐに激しい運動をさせずに安静にさせることなどが挙げられます。

毛ヅヤが悪くなり、皮膚トラブルやかゆみが出る 

愛犬の毛並みがパサついたり、フケが増えたり、体を頻繁に掻く仕草が見られたりする場合、それは皮膚のバリア機能が低下しているSOSかもしれません。皮膚や被毛の健康には、オメガ3脂肪酸(EPA、DHAなど)とオメガ6脂肪酸の適切なバランスが不可欠です。これらの必須脂肪酸が不足すると、皮膚の乾燥やかゆみ、炎症が起こりやすくなります。また、フードに含まれる合成添加物や、特定の穀物(小麦、大豆など)に対するアレルギー反応が皮膚症状として現れることも少なくありません。このような場合、アレルゲンになりにくい動物性タンパク質(鹿肉、魚など)を主原料とし、オメガ3・6脂肪酸が豊富に含まれるフードに切り替えることが効果的です。人工添加物の有無も確認し、皮膚の健康を内側からサポートすることが重要です。

食いつきが極端に悪く、食べ残しが続く 

「最近、愛犬がフードをあまり食べてくれない」という悩みは、多くの飼い主が経験することです。犬の食欲を左右する最大の要因は「味」よりも「香り」だと言われています。嗅覚が非常に鋭い犬にとって、フードの香りは食欲を刺激する重要な要素です。しかし、低品質なミートミール(肉副産物)を多く含むフードや、酸化した脂質を使用したフードは、香りが飛びやすく、犬が「美味しそうに感じない」ため、食いつきが悪くなることがあります。また、高温での加工や二度加熱を繰り返す製造工程は、原材料本来の香りや旨味を損なう原因にもなります。無添加で高品質な動物性タンパク質を主原料としたフードに切り替えることで、香りが改善され、食いつきが劇的に向上するケースが多く見られます。食欲不振が続く場合は、フードの品質だけでなく、保存方法や鮮度も見直すことが大切です。

これらのサインを見逃さず、早めにフードを見直すことが、未然にトラブルを防ぐ大切なカギとなります。

成犬用ドッグフードの安全性を見極めるポイント

愛犬の健康を守るためには、ドッグフードの「安全性」に目を向けることが不可欠です。

 

ドッグフード選びのチェック項目とその理由
チェック項目 理由・背景
合成添加物の有無 保存料・発色剤・甘味料などの人工添加物が使われていないかを確認するため。
健康被害やアレルギーのリスクを減らすことが目的です。
成分表示の明確さ 「副産物」「〇〇ミール」のような不明確な表現ではなく、具体的な原材料名が記載されているかを確認するため。
これにより、原材料の品質を正確に把握できます。
AAFCO基準の適合 パッケージに「AAFCO栄養基準に適合」と明記されているかを確認するため。
AAFCO基準に適合していることで、栄養バランスと安全性が国際的に保証されていると判断できます。
グルテン・アレルゲン対応 小麦やとうもろこしなど、アレルギーの原因になりやすい成分が含まれていないかを確認するため。
アレルギー体質の犬の体調悪化を防ぐために重要です。
製造元のトレーサビリティ 原材料の産地、製造工場、販売元が明記されているかを確認するため。
これにより、フードの安全性と製造企業の信頼性を評価できます。

 

合成添加物は発がん性やアレルギーのリスクが指摘されており、避けるべきです。成分表示が具体的であること、AAFCO基準を満たしていること、アレルゲン対応であること、そして製造背景の透明性が高い製品を選びましょう。

成犬用の理想のごはん 鹿肉という選択肢

成犬期のドッグフード選びは、愛犬の健康を守る“食習慣”の見直しでもあります。

「子犬の頃と同じフードをなんとなく続けている」——そんな方にこそ、本記事では、ライフステージに合った栄養バランスと、犬の体質に合わせた選び方の重要性をお伝えしてきました。

便の状態や毛ヅヤ、食いつきなど、愛犬が発している小さなサインを見逃さないこと。そして、その原因が“今のフード”にあるかもしれないと気づくことが、健康を守る第一歩になります。

「成犬期のフード選び」は、実は未来の健康への投資でもあります。香り・栄養バランス・消化性に優れたフードに切り替えることで、毛並みや活力、そして毎日の食事がぐっと変わっていきます。

だからこそ、“今”が見直しのタイミングです。

実は、低アレルゲンで消化吸収にも優れている「鹿肉」は、体質に敏感な成犬にぴったりの食材なんです。さらに、鹿肉は高タンパクかつ脂肪分が控えめで、筋肉維持や皮膚トラブルの軽減にも効果が期待されています。

また、添加物不使用・国産原料にこだわった製品なら、香りの質も高く、食いつきの改善にもつながるという声も多数。

「最近、フードを残すようになった」「皮膚のかゆみが気になる」そんな悩みをお持ちの方には、まずは“食いつき”から変えてみるという選択肢もおすすめです。

無添加・高タンパク・国産にこだわった鹿肉フードで、愛犬の体質にやさしく寄り添う一歩を踏み出してみませんか?

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よくある質問 (FAQ)

Q1: 成犬用フードへの切り替えはいつ頃行うべきですか?

A1: 一般的に、犬種や個体差にもよりますが、生後12ヶ月〜18ヶ月頃が成犬期への移行の目安とされています。小型犬は比較的早く、大型犬はゆっくりと成長するため、獣医さんと相談しながら適切なタイミングを見極めることが大切です。子犬用フードは高カロリー・高タンパクに作られているため、成犬になっても与え続けると肥満や内臓への負担につながる可能性があります。

Q2: ドッグフードを切り替える際の注意点はありますか?

A2: ドッグフードを急に切り替えると、消化器系に負担がかかり、下痢や嘔吐の原因となることがあります。新しいフードに切り替える際は、1週間から10日程度の期間をかけて、徐々に新しいフードの割合を増やしていく「段階的な切り替え」が推奨されます。例えば、最初の数日は既存のフードに新しいフードを1割程度混ぜ、徐々にその割合を増やしていきましょう。愛犬の便の状態や食欲をよく観察しながら進めることが重要です。

Q3: 合成添加物が含まれていないフードを選ぶメリットは何ですか?

A3: 合成保存料、着色料、香料などの人工添加物は、愛犬のアレルギー反応や消化器系の不調を引き起こす可能性があります。長期的な摂取は、健康リスクを高める可能性も指摘されています。合成添加物が含まれていないフードを選ぶことで、これらのリスクを減らし、愛犬の体に負担の少ない、より自然な食事を与えることができます。特にアレルギー体質の犬や、皮膚トラブルを抱える犬には、無添加のフードがおすすめです。

Q4: グルテンフリーのフードは、すべての犬に必要ですか?

A4: グルテンフリーのフードは、すべての犬に必須というわけではありません。しかし、小麦やトウモロコシなどの穀物に含まれるグルテンは、一部の犬においてアレルギー反応や消化不良を引き起こす原因となることがあります。もし愛犬が皮膚のかゆみ、慢性的な下痢、嘔吐などの症状を抱えている場合、グルテンフリーのフードを試してみる価値はあります。アレルゲンになりにくい原材料(鹿肉、魚、米、ポテトなど)を使用したフードを選ぶことで、体質に合った食事を見つけやすくなります。

Q5: ドッグフードの「AAFCO基準適合」とは何を意味しますか?

A5: AAFCO(米国飼料検査官協会)は、ペットフードの栄養基準や表示に関するガイドラインを定めている機関です。「AAFCO栄養基準に適合」と記載されているフードは、犬に必要な栄養素が適切な量でバランス良く含まれていることを示しており、総合栄養食として安心して与えることができます。これは、フードの栄養バランスと安全性が国際的な基準を満たしていることの証となるため、フード選びの重要な判断材料の一つとなります。

 

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